落ちこぼれ


『落ちこぼれ』は、
和菓子の名前につけたいほど
やさしい響きだと茨木のり子さんは言う。



茨木のり子さんの詩は、どれもわかりやすい。
同姓だからなのかもしれないけれど、
いちいち胸にしみる。


「わたしが一番きれいだったとき」
「落ちこぼれ」
「はじめての町」
「私のカメラ」


茨木のり子の詩を各章のタイトルにして、
33篇の詩が収録されている。
私の好きな詩「倚りかからず」や「自分の感受性くらい」もある。


茨木のり子の詩は、とってもきっぱりと意思表示している。
落ちこぼれは結果ではなく、意志であれと
そう言われたら自信がわいてくるような気がする。


茨木のり子の詩集は、時々読み返したくなる。



「落ちこぼれ」


茨木のり子詩集
木内喜久雄/選・著
はたこうしろう/絵
理論社   1400円(本体)