モーラとわたし


一人ぼっちで寂しい時も、
誰かにいじめられて辛い時も、
お父さんとお母さんが喧嘩して悲しい時も、
モーラが居れば大丈夫。



小さい頃、
「持っているととっても安心できるもの」
ってありましたか?


それから、
「一緒にいるととっても安心できるもの(ぬいぐるみとか)」
ってありましたか?


私はコールテン地のくまのぬいぐるみでした。
長女は「すきちゃん」(赤ちゃんの頃から使っていた肌掛け)
次女は・・・・・なんだっけ?特に無かったような。。。
三女は「大きいちゃん」(バスタオル)


その大切で安心の源が、
モーラのように動いたり一緒にお出かけしたりできたら、
どんなに素敵でしょうか。


心のよりどころ、モーラ。
それなしでは生きていけないっ!
はずなのに・・・


いつの間にかいらなくなって、無くても大丈夫になっている。
それはそのものの実態は無くても、
心の中にはいつまでもちゃんと「それ」が居てくれるおかげ。


だれでもきっと自分だけの「モーラ」が
心の中にずっとずっと生き続けているんだろうなぁ。
そして、いつかまた出会う時がやってくる。


・・・どこで再会するんだろう?



「モーラとわたし」


おーなり由子
新潮文庫   400円(本体)