くまとやまねこ


大切な人と、『きょうの朝』を迎える。
来る日も、来る日も、迎える朝は、『きょうの朝』
『きょうの朝』を重ね、時は流れる。



大切な人が自分の元から旅立ってしまった時。
そして、それが永遠の別れだったら・・・。


ことりを失ってしまったくまは、
その喪失感の大きさに部屋に籠もりきりになってしまいます。
森の仲間も、くまにかける言葉がみつかりません。


何日も、何日もたったある日、
ふと、窓を開けて外を眺めたくまは
部屋を出て、外に出掛けて行きます。


失ってしまったものへの痛みは、
時間が経つことでしか癒されないのかもしれません。
そして、その人の事をしっかり思い出すことで
心にとどめ、また復活する。


「くまとやまねこ」


湯本 香樹実/著
酒井 駒子/絵
河出書房新社  1300円(本体)