ぐっすりでもなく、
うとうとでもなく、
ぬるい眠り。
時々、どっぷり浸かりたくなる世界。
江國さんの小説は、読み手を別世界へ連れて行ってくれる。
江國さんの状況描写が好きです。
冬彦君の爽や過ぎる笑顔とか、
悪戯電話の向こうの耕介さんの微笑みとか、
トオル君とのなつかしくて、ぎこちなくて、しあわせな夜とか。
たまには現実から離れた世界で、
一人の女性になってしまうのも悪くないかも。
妄想と紙一重…?
「ぬるい眠り」
江國香織/著
新潮文庫 514円(本体)
江國香織さんが、二十代の頃書いた作品を中心に集めた、九編の短編集。
この中で御本人のお気に入りは三編。
どれだと思いますか?