歯いしゃのチュー先生


歯医者に行くのが好きな人ってあんまりいないよね。
私も例外に漏れず、苦手です。
でも、チュー先生なら好きになれるかも。



ねずみの歯医者、チュー先生は腕利きの歯医者。
病院はいつもお客さんが絶えません。
ねずみはもちろん、ぶたやうしなど
チュー先生よりも大きな患者の治療もしてくれます。


治療用の椅子はねずみのサイズ。
それよりも大きな動物の時は、
梯子をかけて治療したり、
チュー先生が宙吊りになったりしながら治療します。
まるでサーカスみたい。


患者の治療に熱心で、親切で、完璧主義のチュー先生。
そんなチュー先生ですが、入り口の看板には
「ネコやその他  きけんな動物の  ちりょうはおことわり」
と、書いてあります。


そうですよねぇ。
いくら名医でも命がけでは長続きしませんものね。
「はい、口を開けて」と、
覗いたとたんにパクリでは命がいくつあっても足りません。


そんなチュー先生のところに、
ある日キツネがやって来て治療をお願いしたいと頼みます。
キツネはもちろん「きけんな動物」です。
でも、涙をぽろぽろ流して懇願するキツネをみて
チュー先生は治療を引きうけました。


でもでも、ずるがしこいキツネのこと、油断は禁物です。
チュー先生の治療は無事に終るのでしょうか?



「歯いしゃのチュー先生」


ウィリアム・スタイグ/文・絵
うつみ まお/訳
評論社   1300円(本体)



チュー先生!危ないよ〜。。。