とりつくしま
やっぱり、歌人ってかなりの妄想好き?
もしも…だったら。な10篇の物語。
と「番外編」1篇。
穂村弘の共著「回転ドアは、順番に」の相手役?連れ合い?の東直子の小説。
すべての話は、人が死んだところから始まります。
えっ!?
そんなんじゃ、とりつくしまも無いって?
大丈夫、大丈夫。そんな時のために「とりつくしま係」さんが居るんですね。
もしも、たった今死んでしまったとしたらどうしますか?心残りはありませんか?
そんな時には、とりつくしま係さんが現れて希望の物(非生命体)をとりつくしまにしてくれるそうです。
何を馬鹿な事言ってんの〜。そんな事あるわけないでしょ!
なんて、とりつくしまの無い事言わないで読んで欲しいなぁ。
この小説に登場する10人の人々の「とりつくしま」はこれ。
・野球部ピッチャーの一人息子の「ロージン」。(母親)
・夫のトリケラトプスの絵がついたマグカップ。(妻)
・公園の青いジャングルジム。(5歳男児)
・白檀の扇子。(書道家の弟子)
・図書館司書の名札。(無一文の老人)
・ママの補聴器。(一人娘)
・
・
・
・。
もしも…だったら。と仮定することで、現実がより鮮明に見えてくるのでは。
と、あとがきの中で東さんは言っています。
妄想好きは現実派?
「とりつくしま」
私の中の「歌人」のイメージがこのところかなり変わってしまいました。(笑)