神様のボート


ボートは繋ぎ止めておかなければ、
ゆらゆら揺れて、座礁するか転覆するまで漂い続ける。



ひと夏の恋が忘れられずに、引きずっている人はいませんか?
この、野島葉子のようにボートのとも綱を外したら
二度と港には戻れなくなりますよ。


ありそうなのに、絶対にありえない。
ありえないのに、なぜかありそう。
穏やかなのに、狂気に満ちている。
一瞬で永遠の恋愛小説。


江國香織らしい小説だなあ。
と、つくづく思ってしまいます。
時々、人生の気分転換(現実逃避)の為に読んでいます。



『神様のボート』


江國香織/著
新潮社 1400円(本体)