秋の日


私には、懐かしい里山の風景が、
今森さんには、未来の風景に見えるそうです。



コスモス、すすき、刈田、あけび、紅葉。
稲穂、柿の木、コバノガマズミ、あぜ道、彼岸花
どうしても、懐かしい。


もっとも、私は田舎に住んでいるので
玄関を一歩出れば、似たような風景に巡り会える。
そして、草や藁を焼く香ばしいにおいもやってくる。


今の子どもたちはこの写真集を見てどんな風に感じるのだろう。
見たことがなくても、懐かしく思うのだろうか?
それとも、どこか外国の風景のようにうつるのだろうか?


環境問題が深刻化している昨今。
この、日本の原風景のような今森さんの里山のたたずまいが、
どうか、未来の風景となって欲しいと思う。


写真はもちろん、非の打ち所がないという素晴らしさ!
それに加えて、散文のように綴られた今森さんのエッセイが
秋の彩りをさらに引き立ててくれている。



『秋の日』


今森光彦/写真・文
アリス館 1400円



この写真エッセイは「里山の一日」として
「夏の日」「秋の日」と続き、さらに
「冬の日」「春の日」と刊行される予定です。


春に向けての準備が始まる秋の里山の風景に魅了される。