記憶の小瓶


子どもの頃の記憶って、
どのくらい正確に覚えていますか?
覚えているのは、楽しいこと?悲しかったこと?
それとも、怖かったこと?



『まあちゃんのながいかみ』や『へんてこもり』『つんつくせんせい』シリーズでお馴染みの児童文学作家、高楼方子さんのエッセィ。


この連載を引き受けてしまった後で、
「どおすんのよお〜〜〜」となって
青息吐息で書き上げた高楼さんのために、
冒頭の文を引用させていただきます。



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人の幼少期の話は、
自分の幼少期の記憶を呼び覚まします。
この極私的な回顧話に意味があるとすれば、
その一点に尽きるでしょう。
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冒頭の高楼さんの文を読んでしまったからか、
まんまと手中に嵌まったみたいなわたし。


私の最初のはっきりした記憶は3歳の頃。
慢性盲腸を拗らせて腹膜炎になり、生死の間をさ迷った時の記憶。
緊急手術をした時の手術室のまぁるいライト。
入院中の部屋の窓から見えた景色。
自分の着ていたネグリジェの柄。


いろんな人の人生って、まったく違うようで似ている?
似ているようで、まったく違う?
今まで忘れていた記憶を、高楼さんのエッセィが呼び起こしてくれる。



「記憶の小瓶」


高楼方子/著
装丁/池田進吾(67)
クレヨンハウス 1200円


あぁ…また、池田進吾(67)だわ。。。