家守綺譚


これは、ある意味夏向けのお話。
そう、いろいろなモノが出没します。



梨木香歩さんの作品で男性が主人公のものは少ない。


「左は、学士綿貫征四郎の著述せしもの。」
で、始まる物語。
サルスベリから始まり
木蓮、都わすれ、木槿ヒツジグサツリガネニンジン・・・・
と、各章のタイトルはすべて植物。
植物の話?かと思ってはいけません。


「綺譚」ですからね。
ちなみに意味を調べてみると・・・
奇談(珍しい話・辻褄の合わない話・不思議な話)
綺談(面白く造った話)
奇譚(珍しい話や言い伝え)
こんな感じですから限りなく怪談ですね。


行方不明の友人の実家の管理を任された征四郎の短編連作物語。
仔竜、小鬼、河童、人魚、亡友、竹精などなど出没多数。
恋をするすサルスベリ
床の間の掛け軸からやって来る友。。。。。
まあ、よくぞ皆さん勢揃いしました。


こういう事は本当にちょっと前まであったなぁ、って思えてしまう?
なんだか懐かしくさえ思えてしまう。
怪談だけれど、大丈夫!
決して怖くはありませんから。



「家守綺譚」


梨木香歩/著
新潮社  1400円(本体)


さてさて、読書の夏!
この本を読んだら、引き続き
「村田エフェンディ滞土録」を読みましょう!
絶対!おすすめ!!