おすのつぼにすんでいたおばあさん


「おすのつぼ」?
「雄の壷」?
「押すのツボ」?
こらこらっ!



ルーマー・ゴッテンの家で語り継がれてきた物語。
お酢の壺」は多分、ビールを作るホップを乾かすための
乾燥所のようなところらしい・・・です。


むかしむかし、湖のほとりに一人のおばあさんが住んでいました。
おばあさんはつつましいながらも、
猫のモルトとの暮らしを愛していました。


そんなある日、おばあさんは湖の王である、
小さなさかなに出会います。
おばあさんに命を助けてもらった小さなさかなは
おばあさんの優しい心にむくいるために
「ねがいごとをかなえてあげよう」と言います。


最初は遠慮していたおばあさんも、
やがて・・・・
人って、変わってしまうんですよね。


よくあるように、最後はおばあさんが戒められておしまい。
では、ないんですよ。


ゴッテンの家では、代々髪を洗う時にこのお話を
語り聞かせてもらったそうです。
なぜ、髪を洗う時だったのかはわからないんだって。



「おすのつぼにすんでいた おばあさん」


ルーマー・ゴッテン/文
なかがわちひろ/絵
徳間書店  1200円(本体)


「小さなさかな、小さなさかな、出てきておくれ」