そしてねずみ女房は星を見た


私も星を見ている。
あなたも星を見ることができますか?



清水真砂子さんの本が好きです。
でも、清水さんの本ってなんとなく、難しい。
っていうか、講義を受けているような気持ちになります。
それは、内容が誠実で深いからだと思います。


清水さんの本を読む前に、
読んでおかなければならない本がいっぱい!
取り上げられている本を、まず自分でよく読んでから
清水さんの本を読んだ方がずっとよくわかるから。


でも、この本は限りなくエッセイに近い書評って感じです。
取り上げた本の内容も紹介しつつ、
清水さん自身の今と照らし合わせた事柄が書き綴られています。
あの「ゲド戦記」の翻訳者であり、
大学の講師でもある清水さん。
子どもの本を勉強しようとする人なら、
きっと彼女の本をテキストにしたことがあるでしょう。


でも、そんな難しいことはさておき
大人ならではの感性で子どもの本を読んだらこうなるのね。
と、納得できます。
「絵本好きな人が書いたエッセイ」(ちょっと緩すぎる紹介かしら?)
と思って、今まで清水さんの本を読んだことのない人も
ぜひ、読んでみて!


取り上げている本は
「ごきげんいかががちょうおくさん」
「グレイ・ラビットのおはなし」
「ねずみ女房」
「ペットねずみ大さわぎ」
「十一歳の誕生日」
「愛について」
「ゼバスチアンからの電話」
「片手いっぱいの星」
「ベーグル・チームの作戦」
「お話を運んだ馬」
注文の多い料理店
「人形の旅立ち」
「第八森の子どもたち」
の13冊です。


目からウロコの1冊になるかも。



「そして、ねずみ女房は星を見た」


清水真砂子/著
タカダ緑里/挿画
テン・ブックス   1900円  2006年10月発行
大人〜





挿画も繊細で、装丁デザイン、本文デザインも綺麗な本です。
「人形の旅立ち」はこのブログでも紹介したわ。
同じ本が好きだなんて、かなり光栄です。はい。




訃報です。


児童文学作家の灰谷健次郎さんが、今朝亡くなりました。
静岡県長泉町にある病院で、食道癌だったそうです。

灰谷さんといえば「兎の眼」「太陽の子」が代表作でしょうか。
20代の頃、職場の上司にすすめられて初めて灰谷さんの作品を読みました。
「太陽の子」でした。
私が児童文学にのめり込むきっかけになった作品です。


寂しいです。
灰谷さんのご冥福をお祈りします。