デビルズドリーム


「デビル」って悪魔のことだよ。
「悪魔の夢」ってなんだか怖いタイトル・・・。




「はせがわくんきらいや」で衝撃的なデビューをして、
すでに30年。
東京から長崎に移り住んで15年。
「ホームランを打ったことのない君に」
の絵本で、復活宣言した集平さんの第2弾。
新聞連載のために書き下ろされた物語が
めでたく出版されました。


怖い(重い)話かなぁ・・・。
なんて思いながらページをめくると冒頭に
「離婚」
「長崎の中学生が起こした幼児殺人事件」
佐世保の小学生の同級生殺人事件」
こんな、事実を絡めた始まりに
「インターネットの掲示板」
あぁ、どんなに重たい話なんだろう?
なんて思いながら読み進めました。
色々なことを考えさせられましたが、
読後感は、爽やかで、元気になれる物語。


親の離婚で母のふるさと長崎に移り住む事になったアキ。
東京とは違う長崎に戸惑いながらも
アキは居心地の良さを感じる。
友だちになったトモネと秘密の掲示板〈デビルズドリーム〉
を立ち上げ、ハンドルネームで悩みを語り合う。
母親と暮らす今の状況に不満は無い
と、アキは自分に言い聞かせるがどうも何かもやもやが残る。


長崎の歴史にも触れながら、
多感な時期の少女の孤独と心の成長が
等身大で描かれている。
子どもだけでなく大人にもぜひ読んで欲しい一冊。



「デビルズドリーム」


長谷川集平/作
前田秀信/絵


理論社    1200円  2006年7月新刊
小学4年ぐらい〜大人



稲佐山から眺めた、長崎の夜景は「美しかった」

この物語は集平さんの心の物語でもあるのかしら。


百町森が開店して間もない時期、
夏休みの最後に「絵本のつどい」
という2泊3日のイベントをやっていました。
集平さんに会ったのはその時が初めてでした。
以来、集平さんのファン(いったい何人のファンをやっているんだ)です。
集平さんのバンドを呼んでライブをやったこともありました。
集平さんの作品がまた、どんどん出版されて嬉しいです。


タイトルの「デビルズドリーム」はブルーグラスの曲のタイトル。
ブルーグラスアイルランドからアメリカに移民した人達が生んだ音楽です。
「デビルズドリーム」はアップテンポで陽気な曲です。
タイトルを考えている時に、集平さんの頭の中にこの曲が浮かんだそうです。


長谷川集平さんに興味のある方は、こちらへ↓
http://www.cojicoji.com/shuhei/index.shtml


追伸

昨日、「シューヘイガレージ」の掲示板に書き込みに行きました。
集平さんからこんなコメント頂きました↓

『なるほど「復活」と見えますか。たしかに絶版品切れ続きで、ぼくの本は書店や図書館から消えていたし、温羅書房がつぶれてからは出版の機会になかなか恵まれなかったし、印税収入ほぼゼロ期間が長かったからなあ。でも仕事はしてたんですよ。「復帰」ぐらいにしといてもらえませんか。』


というわけなので、『復帰』第2弾です。はい。