ミーナの行進


こんなに思い出らしい思い出って、
なんだか、感動する。
思い出は色褪せるものではなくて、
年月を重ね、色濃くなるものらしい。




芦屋、ベンツ、洋館、フレッシー、乳ボーロ。


ポチ子、図書館、マッチ箱、光線浴室、ベッドの下、小箱の物語。


とっくりさん、水曜日の青年。


ミュンヘンオリンピック、大古、森田、猫田、金メダル。


ジャコビニ流星雨、ガラス瓶、クリスマス。



朋子の中学1年生の一年間の思い出。
芦屋にある洋館、従姉妹のミーナの家で過ごした日々。
そこに住んでいる人たちは皆、上質の愛にあふれている。
すべてが深い愛情に包まれているって、きっとこんな感じなのかも。


私も、ミーナとポチ子に会いたくなる。



「ミーナの行進」


小川洋子/著
寺田順三/装画・挿絵

ヤングアダルト


読売新聞に2005年2月12日〜12月24日まで
毎週土曜日、連載された物語。
寺田順三さんの挿絵が、思い出の物語をさらに引き立てている。