絵本をとおって子どものなかへ


子どもと暮らす時に
子どもの気持ちがわかるといいですねぇ。
えっ?もうわかってる?


著者の松井るり子さんが自らの体験を記しながら、
子どもとの旅のこと、子どもと読む絵本のことを集めた本です。
「関西じゃらん」「常陽新聞
「童話館ぶっくくらぶ通信」「児童心理」
それぞれに掲載したものに加筆、訂正して一冊にまとめた本です。


松井さんの旅の様子を読んでいると、
こちらまで幸せな気持ちになってきます。
「そうそう、子どもといるとそうなんだよね。」
と共感できるところもあれば、
「あぁ、私もそんなふうにしてあげればよかった。」
と反省することもあります。
私の場合は反省することしきり!っていう感じですけれど・・・。


今大人になっている人で、子どもだったことがない人なんていない。
だから、子どもの頃の事を思い出せばきっと
子どもの気持ちがわかるはず?
でも、出来事(思い出)は記憶に残っていても
その時の気持ちはあくまで自分だけの気持ち。
今、目の前にいる自分の子どもの気持ちをわかってあげるのには
役立たない感じがします。
どうして、そうなっちゃうんでしょうねぇ。
大人ってまったく困ったもんです。(私だけかもしれないけれど)


松井さんはこの本のまえがきで
「ママ、ちいさくなーれ!」(リン・ジェネル/文・ベトラ・マザーズ/絵)
を例にあげ、ユーモアを交えながら
大人がいかに子どもの気持ちを無視しているのか教えてくれます。
そして、
「子どもの気持ちのなかに入っていこうとするとき、
   絵本は実用書として使えます」
と書いています。


絵本を読むとき、
そのストーリーを追うだけでなく
もっと、もっとその中に入って行こうと思います。
「読み聞かせ」てしまう事をやめて、
まず、自分が何回も読み返してみよう。
絵本の中に登場している人や動物の気持ちになれるまで。
この本を読んでそんなふうに思いました。
私の場合、子どもたちもすっかり大きくなってしまい、
ちょっと手遅れ気味ですが、
どこの子どもにもこんな風に優しい気持ちで接する事ができたら
この先も楽しいかも。なんて思います。
孫のため?にもなんてね。(まだ居ませんからね)



「絵本をとおって子どものなかへ」

松井るり子/著

童話館出版   1500円
子どもと絵本が好きな人


くれぐれも「実用書」の意味を勘違いしないでね。
そこんとこ、よろしく!


7月16・17日(日・月祝)の「保育創造セミナー」に
松井るり子さんが、講師でいらっしゃいます。
お会いするのがとっても楽しみです。
「保育創造セミナー」の詳細はこちら↓
http://www.hyakuchomori.co.jp/about_us/event/pages/hoikuseminar_2006.html