絵本を抱えて部屋のすみへ


部屋の真ん中と部屋のすみでは
時間の流れ方が違うらしい・・・です。



白泉社の月刊誌「MOE」に4年間(93〜96年)
に渡り連載したものをまとめた一冊。


この絵本紹介はタダモノではありません。
なにしろ、小説家、江國香織が紹介しているんですから。
江國香織は私のひいきなんです)


ページを開くと飛び込んでくる、室生犀星の言葉
「本をよむならいまだ
  新しい頁をきりはなつとき
  紙の花粉は匂ひよく立つ
  そとの賑やかな新緑まで
  ペエジにこめられてゐるやうだ
  本は美しい親愛をもって私を囲んでゐる」

―――室生犀星  「本」 より―――


単純な私はもうこれだけでうっとりしてしまいます。
目次を読むとそれぞれの章のタイトルが並んでいます。
「わたしににたひと」
「ここではないどこか」
「生活の愉しみ」
「個人的なこと」
「地上の天国」
・・・・・・・・・・・。
このタイトルから何の本を紹介しているのかわかりますか?
わかった人はコメントください。
なんちゃってね。


このブログのタイトルにもしている「ぱたぽん」が登場する
「まりーちゃんとひつじ」も紹介されています。
因みにその章は「素朴と洗練、それから調和」です。
読めば読むほど、その絵本が好きになってしまいます。
あぁ、やっぱり江國香織の文章には、
やられてしまいます。ふぅ・・・


巻末の対談もいい。
江國香織vs五味太朗
江國香織vs山本容子


「絵本を抱えて部屋のすみへ」

江國 香織/著
白泉社   1500円

絵本好き〜


「まりーちゃんとひつじ」

イラスト/砂原佳香