パパがサーカスと行っちゃった

昔、悪い子はサーカスに売られた時代があった???
本当かなぁ・・・。
なんちゃってね。


このタイトルだけでも
パパのハチャメチャぶりがうかがえるでしょ?
子どもじゃなくて、
パパが行っちゃうんだからさぁ。
今風に言ったら、自己中なパパ?


普通は子どもが、大人に「連れてって〜」
ってせがむはず・・・。
なのに、この場合は
パパのはしゃぎ様が、すごい!!!
サーカスが来るとわかった朝から、
もう、朝ご飯の前から近所迷惑にならないかと
子どもたちが心配するほどのおお騒ぎ!!!
さらに朝ご飯の間中、
サーカスの素晴らしさをとうとうと語る。
自分でへんな曲芸まで始める始末。
ママも子どもたちもあきれるけれど、
パパには逆らえない。


さあ、いよいよみんなでお洒落してサーカステントに出発。
でも、サーカスの大テントはがーらがら。
子どもたちも、パパから聞いた話しほどワクワクしない・・・。
まあ、ちょっと盛上がりに欠けるサーカス一座なんだね。
でもね、でもね、
パパはそんな事はぜ〜んぜん気にしないで、興奮しっぱなし。


サーカスが終ると、テントの前で
パパとママが大喧嘩。
子どもたちが車の中で待っていると、
なんと、パパはサーカスと一緒に行っちゃった!!!
え〜っ!そんなことってあるの?
でね、パパは世界各地を巡業し
あちこちから子どもたちに絵葉書をくれる。


まったく自分勝手なパパなのに、
何故か憎めない。
それどころか、なんだか微笑ましくさえある。
ハチャメチャだけど暖かくてワクワクする夢が溢れる絵本。
いいよ〜。


「パパがサーカスと行っちゃった」

エットガール・キャロット/文
ルートゥー・モエダン/絵
久山太市/訳

評論社   1400円
小学生くらい〜夢を持ちつづけたい人へ


イスラエルの絵本


登場人物のキャラが濃い〜い。
エネルギッシュで独特の絵がいいよ。
「おしゃれ」じゃなくて「あつい」感じの絵に惹かれる。