おとなりさん

世知辛い世の中ですが
隣近所のお付き合いって、
大切ですよね。


森の奥に、2軒の家がたっています。
赤い屋根の家には、にわとりが一人で住んでいます。
隣の青い家は、今のところ空き家です。


にわとりは、朝日と共に起きて、
食事して遊んで、夕日と共に寝ます。
ちょっぴり寂しいけれど、
一人暮しは気楽で自由です。


でも、やっぱり寂しいかも
と、思った頃に気が付くと、
お隣の家の前に荷物が、
きっと、誰かがお隣に誰かが引っ越してきたに違いありません。
にわとりは毎日気にして様子をうかがいますが、
カーテンもドアも閉まったままです。
おかしいなぁ、
気になるなぁ・・・。
さんざん悩んでいましたが、
にわとりは思い切ってお隣さんに手紙を書きました。
「ぼくは、となりのいえにすむものです。
 よかったら  あしたあそびにきませんか」
と、紙に書いてドアに貼って寝ました。


その日の夜、青い屋根のドアが開いて、
誰かが出てきました。
その人は、手紙を見て大喜び
「ありがとう  ぜったいいきます。
 あしたが  たのしみです。」
と返事を書きました。


いよいよ、お隣さん同志のご対面です。
お隣さんはいったい誰なのでしょうか?


「おとなりさん」


きしら  まゆこ/作
高畠  純/絵


BL出版    1300円  2006年3月 新刊

4歳〜



にわとりさんは、
まちます。まちます。まちます。