だれか、ふつうを教えてくれ!


「ふつう」って何を基準にしているの?
「ふつう」って誰にとってのふつう?


2004年10月から刊行している、
理論社の「よりみちパン!セ」のシリーズの最新刊。
このシリーズは
『寄り道の楽しさと気持ちよさを
知っているこどもたちと
もう一度、
こども時代からやり直したい、
おとなのために。』
をキャッチコピーにした、『画期的ヤングアダルト新書』だそうです。
不定期に刊行されているが、
第Ⅰ期、10冊は終了されて、
2005年4月より、第Ⅱ期が刊行されています。
どれも、なかなか興味深く刊行される度についつい読んでしまいます。


著者は、20代前半までは弱視、その後は全盲に近い視覚障害者である倉本さん。
「障害」という側面から社会を分析しています。
「障害者との共生(共に生きる)」という言葉が使われるようになりました。
ノーマライゼーションだとか、バリアフリーとかの用語も随分一般的になりました。
できそうで、できない本当の意味での「共生」とはなんでしょうか?
普段、なんらかの障害を持った人と関わる事が無い人にとって、
「どう接したらいいか?」わからないことだらけです。
でも、倉本さんは言います。
「相手のことをわからない」と思っていたほうがいいと。
傲慢や思い込みは、正しい理解には繋がらないのです。


障害がある、無しに関わらず
人間と人間、人間と社会の関係を考えさせてくれます。


一緒に笑い合える関係って素晴らしい!



「だれか、ふつうを教えてくれ!」


倉本智明/著


理論社 1200円

中学生以上すべて

巻末の資料と「谷川俊太郎さんからの四つの質問」
というのが、全巻に付いています。
かなりイケテル!かなり個性的!
その本の著者が四つの質問に答えています。
「何が一番大切ですか?」
「誰が一番すきですか?」
「何が一番いやですか?」
「死んだらどこへ行きますか?」

私なんて、まずそこから読んでます。