わたしの遠足日記


だいぶ春めいて来た今日この頃。
はつらつとした気分で、遠足に行こう!

せっかくその気になったのに、
今日はすご〜く寒い・・・。


この「遠足日記」は雑誌「母の友」に3ヶ月に一度、
1991年4月号〜1993年1月にかけて連載したものに
加筆し、さらに絵を増やしまとめたものです。


片山さんの初エッセイのこの本。
「旅日記」なんですが、
あくまで「遠足」に拘る片山さんの文章がおかしい。


―――本文冒頭より―――

遠くへ行くのは悪くないのに、
「旅はお好きですか」と訊かれて、
素直に「ハイ」といえないのには、
それなりの理由がある。
どうも私にとって旅というと、出会いとか、
人生とか、重さとか、後ろ姿とか、山頭火とか、
ホラ、もう今にも時雨れていきそうで、ダメなのだ。


―――あとがきより―――

旅といえば行きずりの酒場で見知らぬ客と酒をくみかわし、
子どもの一人や二人こさえなくてはいけないような気がするが、


この、拘りというか、「旅」に対するイメージにすでに私は笑ってしまう。
片山さんのイメージする旅って、なんだか暗い・・・?
でも、これは「遠足」ですから、
のんびり、ゆっくり、ぼーっと、楽しい日記です。
「遠足」というはつらつとした響きが好き。という片山さん。
絵本作家の絵日記なんてなかなかないよね。
下記に紹介している8編の絵日記。
読んでみてね。
私が速攻買った理由は、
冒頭の絵日記で、地元の大井川鉄道が登場していたこともあります。
そういうところが、ミーハーな私なのよね。


1.大井川鉄道井川線ガタンゴトン
2.とにかく枕崎
3.うるわしの青森
4.松代にて
5.丹後カミナリ雨あられ
6.石狩バンザイ
7.だいちゃんの海へ
8.上海の夜


何年か前ですが、とにかく歩く「遠足」の片山さんに、
東京の某絵本専門店でばったりお会いしたことがあります。
ちょうど、片山さんの原画展の初日でした。
お店の人に「こちらが片山健さんですよ。」
と紹介されて、ドキッとしながらも図々しい私は
「タンゲくん」にしっかりサインしてもらっちゃいました。
その時の服装はまさにこの本の表紙と一緒でした。


「わたしの遠足日記」

片山 健/著

晶文社 1600円   1994年4月第1刷発行


ヤングアダルト


大井川鉄道の鉄橋を歩いて渡る片山健さん