ほこらの神さま


大きなお屋敷には庭の隅に「ほこら」があった。
近くに行くのは、ちょっとこわかった。


取り壊された桜屋敷の残骸から、
拾ってきたほこらは、
勇平、数馬、準一の三人組の秘密基地に奉られた。
偶然なのか、神さまの力なのか…?
奇跡が次々と起こる。
小さな「ほこら」をめぐる三人の小学五年生の、
ファンキーファンタジー


橋の下に見つけた秘密のスペースに「ほこら」奉った勇平と数馬。

勇平たちは「ほこら」を捨てたらバチが当ると話をしながら家に帰ろうとすると、

桜屋敷の前に人だかりが出来ていた。

解体現場で事故があり、作業員が怪我をしたらしい・・・。

さっき話していた事が現実になってしまった!

それは恐ろしくも魅惑的なことだった。

本当かどうか試そうと、

「ほこら」の神さまに数馬が願い事をすると、

両親の反対であきらめていた、ゲームボーイが翌日に手に入った。

奇跡だ!

いよいよこれは神さまの力だろうか?

そして、奇跡はその後も起こった。

でも、冷静になって考えると、

「幸運」と「不運」が必ず抱き合わせでやって来る事に気付いた。

そんな時、クラスで「落書き疑惑」が持ちあがり、準一に疑いがかけられてしまう。

ほこらの神さまに真犯人の名前を教えてもらおうと、

三人でお願いすると、また奇跡が起きた。

さあ、これは偶然なのか?神さまの力なのか?

三人組が考えた「神さまのバチ」真犯人暴露の手段が洒落ている。

ユニークで爽やかな最後がいい!



「ほこらの神さま」

富安陽子/著
小松良佳/絵

偕成社 1000円


三人組が住んでいる町の地図