まりーちゃんとひつじ

特別なものは何もいらない。

本当に必要なものがあればそれでいい。



この日記の名前「pata-pon」はこの本に出てくる羊の名前からもらいました。

私の作っているウォルドルフ人形の作り手たちの集まりの会の名前も「ぱたぽん」です。

それはウォルドルフ人形が羊毛を使っているからでもあります。


木の下に座って、まりーちゃんはぱたぽんに話します。

「ぱたぽん、おまえはいつかこどもを一ぴきうむでしょう」

ぱたぽんはこたえます。

「ええ、こどもが一ぴきできるでしょう。

はらっぱにはひなぎくのはなが きれい きれい

おひさまがいちんち きらきら

わたしたち、ふわふわの毛をたくさんつくってあげますよ、まりーちゃん」

と、ぱたぽんは繰り返します。

まりーちゃんの夢はどんどんふくらんで、こどもが二ひき生まれたら、わたしたちくつが買えるね。

三ひき生まれたら…

四ひき生まれたら…

五ひき生まれたら…とぱたぽんに話します。

ぱたぽんはこたえます。

「ええ、こどもが二ひきできるでしょう…」

ぱたぽんはまりーちゃんの問い掛けを受けとめながらも、自分にはひなぎくの花とおひさまがあればあとはいらないわ、とこたえます。

こどもらしい夢見るまりーちゃんと、静かで落ち着いた母親のようなぱたぽん。

お話の中で何度も繰り返される

「のはらには

ひなぎくのはながきれいきれい……」

のところが好きです。

繰り返し言葉に出して読んでいると、歌のようにこころに響いて幸せな気持ちになります。


この本には三つのお話が入っています。

好きな本ですが、どうして表紙を泣いているまりーちゃんにしたのかがいつも疑問です。


「まりーちゃんとぱたぽん」

フランソワーズ/作

与田準一/訳

4歳くらい〜

岩波書店 640円


ひつじってみんな同じことを考えるのかなぁ…

ぱたぽんだけじゃなく、セルマも同じことを言っているの。

究極のしあわせってみんな同じってことかな。

「ひつじのセルマ」

ユッタ・バウアー/作

山崎慶子/訳

二見書房 1000円