ぼ う し
どうぶつはぼうしなんていらないのにね。
でも、なんだかあったかそう…
冬が来ます。
サリーは冬物のを取りだし日に当てるために外に干しました。
冷たい風がサリーのくつしたを吹き飛ばしてしまいました。
知りたがりやのはりねずみのハリーは
赤い編み込み模様のくつしたを見つけて鼻を突っ込みました。
あれあれ、くつしたは針に引っかかって取れなくなってしまいました。
なんとか取ろうとするけれど毛糸の靴下は一向に取れません。
そのうち、にわとりに見つかってしまいます。
ハリーは「あたらしいぼうしだよ。いいでしょう?」
と、とぼけてこたえます。
次々とであう動物たちに受け答えしながら、
なんとかくつしたを取ろうと悪戦苦闘するハリー。
ハリーは一生懸命言い訳をするんですが、
その言い訳がなかなか的を得ています。
さあ、ハリーの“ぼうし”はうまく取れるのでしょうか。
ほのぼの、気持ちが暖まる絵本。
細かく描き込まれた絵がとってもきれいで、
見た瞬間に好きになりました。
画面が紙芝居の舞台のようになっています。
左右そして画面の上の小窓もよ〜っく見てね。
作者の飼っていたはりねずみが、
実際に毛糸の部屋履きにもぐり込んで出られなくなった
というエピソードから生まれた物語。
「ぼうし」
ジャン・ブレット/作
松井るり子/訳
ほるぷ出版 1300円 2005年12月新刊