文体練習
No.73
女子高生。
あのおぉ、この本はぁ、まぢ面白いってゆうかぁ、
鬼ヤバイ!
だからぁ、読んでってばぁぁぁぁぁぁぁ。
ある日バスの中で起こったつまらない喧嘩の顛末と、
その張本人を後でたまたま見掛けただけの
取り立てて面白くもなんともない状況を、
99通りの文体で描写する。
こんなに文体を変えられるものかと、
全くおどろいて しまいます。
同じ内容をバラバラな文体で書いた99の断章で、一冊の本になっています。
翻訳者は翻訳しただけではなく、
分析、創作もしたのだと、あとがきで言っています。
30ページ以上もあるあとがきは、
そのまま99の文体の解説書でもあります。
解説書付きの本。
こんな本には今まで出会ったことがありません。
あとがきの冒頭で訳者は
『「乏しい内容」を「バラバラな文体」で書いた本など誰が読む気になるだろうか』
と、言っています。
しかし、ぜひとも読んで、言葉の無限の可能性を体感してほしい!
さあ、あなたは読む気になりましたか?
「文体練習」
レーモン・クノー/著
朝比奈弘治/訳
文体練習指導:現役女子高生/あやちゃん