自閉症児 さとしの一日


「物語から学ぶ発達障害
という副題がついたこの本。
今までにはないタイプの本だと思います。



さとし、みさ、浩二、浩太、健一。
5人の自閉症の子どもたちが主人公の短編が5話。
彼らの学校でのエピソードが、彼らの目線で書かれています。


現役の特別支援学級の教諭が書いた物語。
長い間現場で子どもたちと直接関わってきた人だから、
ここまで、彼らの気持ちに添った内面が書けたんだなぁ…
と、つくづく思います。


ユニークなのは、一話一話の最後に「問題」と「答え&解説」がついていること。
ちょっと、文章題ドリルみたいです〜(笑)
私も真剣にチャレンジしちゃいました。


学校や地域での勉強会なんかに使えそう・・・
「答え&解説」は見ないで、
参加者で色々話し合ったりしたらより理解が深まるかもしれません。


自閉症スペクトルの事がよくわからない人。
身近に自閉症スペクトルの子どもがいる人。
「物語」で自閉症児を学んでみましょう!


小学校、中学校、高等学校の職員室と図書室には、
ぜひとも、常備してほしいなぁ…。
どうぞよろしくお願いします。m(__)m


自閉症児さとしの一日」


成沢真介/著
大月書店 1500円(本体)



物語とはいうものの、あまりにリアルで
ついつい本当の事かと錯覚してしまいそうになります。
成沢先生の思いが、多くの人に伝わるといいなぁ。。。