夕闇の川のざくろ


「人なんてもともとほんとじゃないのよ」
とか、
「物語の中にしか真実は存在しないのよ」
とか、
通園バスの中で言う幼児を思い浮かべてください。



お昼休みにちょっと買い物に出掛けて、
ついつい、本屋に立ち寄って一冊の本を手にレジに並んでいて、
ふっと振り向いたら、江國香織の本見っけ〜♪


あらっ、ポプラ社が文庫を出版したのね。
今なら、ポプラ文庫創刊記念読者プレゼントがあるらしい。
早速応募しなくっちゃだわ…って、ポプラ社の回し者ではありません。



“しおん”は嘘つきで、ちょっといやな感じの女の子です。
そして、孤独で人を信じていません。
でも、彼女の美しさは際立っているのです。


「嘘」と「物語」の境界線はどこにあるの?
「作り話」と「物語」の違いは?
「おかえりなさい」と「はじめまして」似ている?


しおんが料理を作る台所で、
たった一人の友人(たぶん)が語る、しおんの物語。
江國香織の世界が満喫できる。



「夕闇の川のざくろ


江國香織/著
守屋恵子/絵
西加奈子/解説
ポプラ文庫 560円(本体)



元々は1993年6月に絵本として出版された本。
守谷恵子の絵と江國香織の世界がとけあって、
物語を際立たせている。