スノーグース

ポール・ギャリコ、好きです。
私の中では、ギャリコ=矢川澄子さんなんですが、
今回は、片岡しのぶさんです。


体に障がいがあるが故に、心を閉ざしたった一人で暮らす画家ラヤダー。
湿原に住むと言われる美しい妖精を思わせる、少女フリス。
そして傷つき落ちた、迷子のスノーグースの王女様。


美しい自然描写から始まる物語は、
一人の画家と、一人の少女と、一羽のスノーグースの愛の物語へ。
自然、平和、そしてすべての命を深く愛するラヤダー。
淡々と語られる物語は、少しずつ、ひたひたと心を満たして
最後には溢れ出してしまいました。


わかっているのに、そのものが失くなってしまわなければ確信できないなんて、悲しすぎる。




「スノーグース」


ポール・ギャリコ/作
アンジェラ・バレット/絵
片岡しのぶ/訳
あすなろ書房   1500円(本体)




↓こちらは、矢川澄子さん。