初雪のふる日


全国的に冷え込んでいますねぇ。
週末はあちこちで雪の様子。
静岡もそれなりに、かなり寒いです。



ろう石で書いた石けり用の輪。
その輪がどこまでも長〜く続いていたら、どうしますか?
ちょっと、やってみたい気がしませんか?


秋の終わりの寒い日。
今にも雪が降ってきそうな日。
村の一本道に書かれた、石けりの輪。
一人の女の子がそのまるを見つけて
「なあんて長い石けり!」と言って
輪の中に石を入れて石けりを始めました。


女の子が輪の中にぴょんと入ると
なんだか体が軽くなってゴムまりみたいに弾んできました。
片足、片足、両足、片足・・・・・
女の子はどんどん進みます。


そして、そのうち雪が降りはじめました。
それでも石けりの輪はどこまでもどこまでも続いていて
終わりが見えません。
女の子は急に心細くなり石けりをやめようと思い、
「もう帰ろうかな」とつぶやきます。
すると後ろから声が・・・
「片足、両足、とんとんとん・・・」
後ろを振り返ると、真っ白なうさぎが続いています。
気がつけば、前にも白いうさぎがどこまでも続いています。


白いうさぎが描いた石けりの輪にはまったら、もう二度と帰れなくなる。
村に昔から伝わる、初雪の降る日の不思議で恐ろしい話。
こみねゆらの絵に誘われてどんどん不思議の世界に入っていきます。



「初雪のふる日」


安房直子/作
こみねゆら/絵
偕成社   1400円(本体)