そのぬくもりはきえない


親が子どもに向かって言う
「あなたのためだから」の「あなた」って、
本当は誰の事?



「朝はだんだん見えてくる」を読んで以来、
岩瀬成子さんの作品はお気に入りです。
成長過程の子どもの内面を書いた作品が好きです。



この話の主人公は、小学校4年生の少女「波」。
両親の離婚後、母親とお兄さんとの三人暮らし。
母親は女手一つで二人の子どもを育てながら、ブティックを経営するというなかなかのやり手。


三つ年上のお兄さんは、スポーツ万能で成績優秀。
なんでもテキパキ熟し、とりあえずお母さんの期待に応えている。


離婚したお父さんは再婚し、かわいい赤ちゃんがいる。
波はお父さんのところに遊びに行くこともできる。


波は、絵画教室とソフトボールと私立中学に進学するための塾に行っている。
それは、お母さんにすすめらるままに行っている。
波がお母さんに何か言っても、お母さんは「スポンジのように吸い取ってしまう」。
だから、波はお母さんには言いたい事を言えず、逆らえない。


ある時、絵画教室で一緒の真麻ちゃんから近所のお年寄りが飼っている犬の散歩の代理を頼まれる。
そして、その家の二階で不思議な少年「朝夫」に出会う。
朝夫に出会ってから、波は少しづつ自分の気持ちに正直になっていく、
それは、波の中で何かが確実に変わっていったから。



「そのぬくもりはきえない」


岩瀬成子/著
酒井駒子/装画
偕成社 1400円(本体)




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本日、修学旅行より女子高生帰国!