ちいさな曲芸師バーナビー


これは、フランスに伝わるクリスマスのお話。
小さくて、健気な曲芸師のお話。
そして、胸が熱くなるお話。



「もうずっと昔、何百年も前のことですが、
旅から旅へと曲芸をして歩くバーナビーという名の少年がいました。」

という書き出して始まる物語。


父も母も亡くした小さなバーナビーは、
生きていくために、曲芸師だった父と同じ道を歩みます。
小さいながらも曲芸の腕前は確かだったバーナビー。


曲芸の道具と、包む一枚の敷物と、着たきりの洋服と、
そして、暖かくて晴れた日々と、曲芸を見てくれるお客さん居てくれるおかげで、
貧しいながらもバーナビーは一人で暮らすことができました。


やがて、寒い冬が訪れ人々が家の中にこもり
だれも曲芸を見てくれなくなる季節がやってきました。
一人寒さに震えるバーナビーは、一人の修道士に出会い、
教会で食べ物をいただき、そしてそこで暮らすことになります。


やがて、クリスマスが近づき修道士たちは忙しく働き、
聖母マリアとあかちゃんのイエス様の贈り物の準備を始めます。
その修道士たちの姿を見て、なにも出来ないバーナビーは自分の存在価値を考えます。


自分にできることはあるのか?
生きている意味があるのか?
バーナビーは考えに考え、あることを実行に移します。
さて、彼の出来ることはなんだったのでしょう?



「ちいさな曲芸師バーナビー」


バーバラ・クーニー/再話・絵
すえもりブックス   2000円(本体)



バーバラ・クーニーの息子さんの名前は、バーナビーです。
そのわけは、巻頭のクーニーの書いた文を読めばわかりますよ。