ふじこさん


自分の宝物に出会っていますか?
あなたにとっての、宝物はなんですか?



「宝物」って、何? 宝石?
もしも宝石だったら、わかりやすい!
でも、本当の宝物は人生の中で「出会うもの」なんだって。


リサにとっての宝物は、ふじこさんとの時間。
ふじこさんと出会って一緒に過ごした時間。


ふじこさんにとっての宝物は、展覧会で出会った椅子。
ふじこさんの宝物は、イタリアのおじいさんが作った椅子。


リサのお父さんやお母さん、祖父母の宝物はなんだったんだろう?
お母さんの「希望の星」はリサ。
希望の星と宝物は違う?


小学生のリサの両親は離婚調停中。
別居のために母親の実家に身を寄せた母娘。
親権をめぐって泥沼化する離婚騒動のさ中、
子どもである故の不自由さに息詰まり、
マンションの8階から飛び降りることを最後の手段に決めたリサ。


そんな時、気まぐれで立ち寄った別居中の父親のマンション。
かつては、自分の家だったところ。
合い鍵で入ろうとしたその部屋には、
若くて綺麗でちょっと変わった女性、ふじこさんが居た。



「ふじこさん」


大島真寿美/著
講談社 1500円(本体)



子どもの頃に過ごした、宝物のような時間。
そんな思い出ありますか?


重いテーマなのに、ふじこさんのお陰で前向きになれました。
ありがとう、ふじこさん。
そして、おめでとうございます!ふじこさん。



「ふじこさん」には他に
「夕暮れカメラ」
「春の手品師」
が収録されています。