1000の星のむこうに


こんなふうに、草原で
信頼しあう人と手をつないで
星空を見上げるって、最近ないなぁ・・・。



オットーおじいちゃんとリサは
お互いをとてもよく理解しあっている。
毎日、畑仕事の合間に二人でやる数遊び。


「1はリサの1」
(世界にたった一人だから)
「2はクッキーの2」
(ママが作るとっておき、いつもおじいちゃんのポケットに入っている)
「3は大事なお祝いの3」
(リサのお誕生日、おじいちゃんのお誕生日、クリスマス)
「4は・・・・・」
と、続いていきます。
毎日いくつまでいくのかは、その時のおじいちゃんの体調次第。


ある日、二人で夜空を見上げて星を見ているとき。
星は1000以上ある?と、リサ。
もちろん。と、オットーおじいちゃん。
数に終わりはない・・・
数はいつからあるの・・・


二人をみているだけで、
心の奥があたたかくなってきます。


でも、人は年をとってやがて死んでいきます。
オットーおじいちゃんにも、その日がやってきます。
悲しむリサにママが言います。
「おじいちゃんはね、みえなくなっただけだとおもうの」と。



「1000の星のむこうに」


アネッテ・プライ/文・絵
木本 栄/訳
岩波書店   1600円(本体)



オットーおじいちゃんは、数と同じ・・・