この庭に


雪が降っていれば、ホワイトクリスマス☆
でも、静岡は暖かすぎて、ちっともそんな気配はないのです。


クリスマスとは無関係に、
梨木香歩の新刊が出ました。



「この庭に」黒いミンクの話
モノクロのきれいな表紙につられてページをめくると
そこは・・・・
梨木香歩の世界が広がっていた。


梨木香歩の作品は、作品同士がリンクしているものが
いくつかあります。
「からくりからくさ」と「りかさん」
「家守奇譚」と「村田エフェンディ滞土録」
などがそうです。


ぜんぜん違う話だと思って読んでいると
最後に、突然見えてくる。
といった感じです。
梨木香歩の頭の中ってどうなっているんだろう・・・。
物語の世界が何層にも重なって、そして繋がっている。
でも、そのジョイント部分は本当に近づかないと見えない。
角を曲がったら突然現われる感じ。


また、やられちゃいました。


オイル・サーディンとワインだけで生きている。
一人掛けのソファーに座り、
外界とのつながりを絶ちきった人間が一人。


気がつけば、しんしんと、ただしんしんと雪が降っている。
カーテンの隙間から見えた一人の少女。
「この庭に ミンクがいる気がして しかたがないの」
と話す少女を、部屋に招き入れた、おんな。


ふと気がつくと部屋の中に黒いミンクが・・・


夢なのか、現実なのか、はたまたホラーなのか?
これ以上書くとだめ。
読者の楽しみがなくなるので、おしまいにします。
梨木香歩のファンの方はぜひ読んでみてください。



「この庭に」
黒いミンクの話


梨木香歩/著
須藤由希子/絵
理論社  1300円(本体)2006年12月発行 



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12月24日(日曜日)クリスマスイブ


みなさん、よいクリスマスを!