温室デイズ


井の中の蛙」「温室の中の中学生」
守られているのか?
閉じ込められているのか?





母親を亡くし、理髪師の父親と二人暮らしのみちる。
両親ともに優しく、裕福な家庭に育った優子。
自ら「有能なパシリ」を勤める斉藤君。
母親は妹と弟だけを連れて家を出た。やくざの父親と暮らす伊佐君。
SS(スクールサポーター)の吉川。


みちるの視点からみた物語と優子の視点からみた物語が
交互に絡み合いながら進んでいく。


中学生はどうも2年生の終わりぐらいから
約一年くらい、荒れるらしい。
そうして高校受験直前には荒れる事に飽きるらしい。


いじめる側も、
いじめられる側も
決して好きでやっているわけじゃない。
でも、止められないのは何故?


学校に行かない本当の理由ってなに?


正しい事を正しいと言うと、
いじめの標的になるのは何故?


「父親の血」からは逃れることが出来ない?


ここまで来たら戻れない、境目はどこ?


中学校という温室をでたら、
次は高校という温室が待っている。


楽しい事はなにひとつ起きない。
いくらがんばったところで、劇的な変化なんか無理。
みちる、優子、斉藤君、伊佐君の中学校生活の物語。


と、書くと暗くてたまらない感じがするでしょ?
でも、どこか見えないところに光があるっていう感じ。




「温室デイズ」


瀬尾まいこ/著
角川書店 1300円
ヤングアダルト