バスラの図書館員
――イラクで本当にあった話――
こんなふうに、本を愛してくれる人が
図書館員だったら、本も幸せだよね。
愛されている本が幸せ・・・
ではなくて、戦争がなくなることを祈ろう。
戦火のイラクでの話。
図書館員のアリアさんは、図書館の蔵書が焼けることを心配し
安全な場所に本を移すように進言します。
しかし、役所の人達は戦争の事で頭がいっぱい。
本の事までかまっていられません。
戦争って本当に悲しいこと。
アリアさんは、本を守る為に自分で行動します。
毎日、自宅に少しづつ本を運びます。
アリアさんの家はもう、本以外のものは置けないほどです。
ある日、恐れていたことが本当になってしまいました。
図書館が爆撃を受けて、炎上したのです。
兵士達は,自分が逃げることで精一杯。
そんな中でもアリアさんは、本を救い出そうと必死です。
アリアさんは、友人達と力を合わせて蔵書の70%を救い出しました。
翻訳は、本をこよなく愛している、長田弘さんがぴったりですね。
この本の売上の一部は、
バスラの図書館再建のための資金に当てられるそうです。
「バスラの図書館員」
――イラクで本当にあった話――
ジャネット・ウィンター/絵と文
長田 弘/訳
昌文社 1600円
小学生〜
希望を捨てずに、
今日もアリアさんは戦争が終って
図書館が再建される日を待っています。