おさるとぼうしうり
行商人といえば、
背中に商品を担ぐか、荷車を引く姿が思い浮かびます。
服装もなんとなく、作業着みたいな感じかなぁ。
でも、このぼうしうりのおじさんはちょっと違います。
頭の上に帽子を高く積み上げて、
行商に歩きます。
服装だって、蝶ネクタイなんかしてお洒落です。
ある日、帽子がちっとも売れなくて、
おじさんは歩き疲れてしまいます。
頭の上の帽子を落とさないように気をつけて、
おじさんは木に寄り掛かって、ひと休み。
そのまま、長いこと眠ってしまいました…。
おじさんが目を覚ますと、
まあ、大変!
頭の上の売り物の帽子が一つもありません。
残っているのは、おじさんの格子縞の帽子だけ。
慌てて回りを見回して見ても、
帽子はどこにもありません。
ふと、上を見上げたおじさんはびっくり。
枝という枝に乗っているおさるが、
みーんな、帽子をかぶっています。
おじさんは取り返そうと、必死になりますが、
おさるは「ツー、ツー、ツー」というばかり。
おじさんは帽子を取り返すことができるでしょうか?
「おさるとぼうしうり」
エズフィール・スロボドキーナ/作・絵
まつおか きょうこ/訳
小学生〜
一時期我が家では、何か頼み事をすると
「ツー、ツー、ツー」と、
子どもに言われ続けた頃がありました。