折り紙ヒコーキ進化論


「切らない」

「貼らない」

「動力なし」

そして、よく飛ぶこと。



1997年の春、パリの凱旋門の上から、折り紙ヒコーキを飛ばした人。

フジテレビ朝の番組「めざましテレビ」の特集を見た覚えありませんか?

この折り紙ヒコーキを飛ばした、戸田拓夫さんの熱い思いが詰まった本。


大学時代に原因不明の病気にかかり、下宿で伏せっていた頃に、

たまたま本屋で手に取った「飛行おりがみ傑作選」中村榮志/著、を見て何気なく折り始めたヒコーキ。
折り図通りに折ってもなかなか上手く飛ばない…
納得出来ない戸田さんは、いきなり著者の中村榮志さんを訪ねてしまう。
その日から戸田さんの、折り紙ヒコーキ人生が始まった。
戸田さんは、試行錯誤した末にオリジナルの折り紙ヒコーキを考案し、
折り紙ヒコーキ協会設立、さらに「折り紙ヒコーキ博物館」までつくってしまいました。
12種類の折り図と形を楽しむ折り紙ヒコーキ18種類も紹介されています。


折り紙ヒコーキを一度も折ったことがない人って少ないと思います。

いまさら、興味ないわ。

なんて言わないで読んでみてほしい。

著者は「切らない折り紙はリストラ時代への警鐘」と言い、折り紙ヒコーキは人を幸せにできると熱く語ります。
さらに、折り紙「オリガミ」は世界共通語だ!とその夢を世界へ、宇宙へと飛ばします。

戸田さんの言う通り、折り紙ヒコーキの本に出会っただけで幸せな気持ちになってきます。

平日は会社を経営する社長業、休日は子どもたちに折り紙ヒコーキを教える伝導師と二足の草鞋を履く戸田さん。

読み終わると同時に、きっとヒコーキを折りたくなること請け合います。

だって、私がそうだったから。

折り紙に興味のある人はもちろん、エッセーとして読んで充分に楽しめます。



折り紙ヒコーキ進化論」

戸田拓夫/著

NHK出版 640円(生活人新書)


ヤングアダルト〜夢を飛ばしたい人


折り紙ヒコーキなどにまったく興味のなかった私なのに、
二年前、某書店の新書コーナーでこの本にナンパされました。
そして何気なく手に取って買いました。
折り紙ヒコーキの本って何気なく手に取られる運命にあるのかしらね。
もっとも、私は原因不明の病気などにはかかっていませんでしたけれど。

子どもの頃作った紙ヒコーキの紙は、新聞広告だったな。