てんごくのおとうちゃん


万引きをして地獄に行ったら、
天国のおとうちゃんには会えません。
ほんとうに、その通りですよね。




『死』をテーマにした絵本だけど、後味すっきり前向き。
長谷川義史さんが描くとこうなるんだねぇ。
なるほど、なるほど。。。。やっぱり泣ける…


人は極端に大きな悲しみと遭遇すると、
涙は出ないのかもしれない。
おとうちゃんが亡くなった時、ぼくは吐いた。


すごく感動的ではなく、淡々とおとうちゃんの事を思い出すぼく。
日常の中で時々、ふっと浮かぶおとうちゃんとの思い出。
思い出す事でおとうちゃんはいつまでも、ぼくの中にいる。


何かに迷った時に、ふっと現れて、
導いてくれるおとうちゃん。
いつか、てんごくに行ったらまた会えるおとうちゃん。


大切な人を失った時は無理に忘れようとしないで、
その人の事を思い出す事の方がいいのかもしれない。
そうやって、少しずつ少しずつ悲しみを乗り越えていく。


きっと。



『てんごくのおとうちゃん』


長谷川義史/作
講談社 1500円(本体)