ようちゃんの夜


この本を書いた前川梓さんって、
1984年生まれだって。
若いねぇ。私の娘と同じ歳だっ!



ようちゃんは、塙ようこ。
私、アサコは、小山亜紗子。
ようちゃんとアサコの物語。


高校生の心の中は今にも砕け散りそうで、
触れるタイミングを間違えたら取り返しがつかない。
“親”になってしまった人には見えない、
高校生の危うい内面が描かれている。


壊れていくようちゃんと、
どうしていいのかわからないけれど、
ただ側に居てようちゃんと関わり続けるアサコ。


断片の積み重ねのような文が、
最後にぴったりと繋がる。
現役高校生でない私には、若手作家の少々難解な文だけど、
最後はすっきり私の中に納まってくれた。
よかった。本当に…アサコもようちゃんも。



「ようちゃんの夜」


前川梓/著
メディアファクトリー 1000円




「いつか記憶からこぼれおちるとしても」江國香織
映画「17歳のカルテ
「見えないくらいちいさな気持ち」nonoco
と重なる作品で、胸が締め付けられた。