真鶴


「真鶴」という地名から、海を思い浮かべる。
別に、真鶴に行ったわけではありません。
さて、ここはどこの海でしょうか?




不思議で不安定な小説。
主人公の女性「京」の内面の世界と、
現実の世界が交錯する物語。


こちらの世界とあちらの世界を行ったり来たりしているうちに、
どんどん深海にはまっていく。
読んでいるうちに、こちらまであちらの世界に引きずり込まれてしまう。


川上弘美の小説を読んでいると
自分の中にもある、普段は隠している気持ちを
呼び覚まされてドキドキしてしまう事がある。




ストーリーは………
失踪した夫を忘れられない女の話………
う〜ん、違う。。。
あらすじをどう書いていいものやら。
下手に書いたら違うものになってしまう気がするので、
っていうか、ストーリーの展開を楽しむ小説じゃないような気がする。
あらすじを知らずに読んだほうがいい。


川上弘美の小説は、
実体のあるものと無いもの。
現実と非現実。
あちらとこちらが入り乱れ、混ざり合うものが多い。
そういうところに惹かれる。



「真鶴」


川上弘美/著
高島野十郎/装画
文藝春秋 1429円(本体)


この本のインパクトに買わずにはいられません。



今日はお休みだったので、海までドライブ。
私は海辺の生まれなので、子どもの頃はよく海水浴に行きました。
海岸の堤防の下にあるテトラポッドを渡り、
ごっこなんかもして遊びました。


そんなに海に親しんでいたのに、
一人で波打ち際まで行くのがいつからか怖い。
この小説を読んでいたからか、今日はいつにも増して怖かった。