ねこのなまえ


あなたの名前はどんな意味がある?
自分で自分の名前は付けられない。



我が家のねこのなまえは
「こんぶ」と「けりい」
長女が東京で飼っているねこは
「ちい」です。
おおっ!ねこ好き一家。


いいお天気に誘われて散歩に出掛けた、さっちゃん。
花も緑も、いい感じ。
なんだか眠くなるような、のんびりした日。
公園へつづく道を歩いていると、
木のかげから一匹ののらねこが
「ぼくのおねがいきいて」と話しかけてきました。
こんなステキな散歩を邪魔されたくないさっちゃんは
しらんぷりして歩きます。


一生懸命話しかけてくるのらねこに、
思わず立ち止まったさっちゃん。
のらねこのお願いというのは
「名前をつけてほしい」こと。


最初はいい加減に考えていたさっちゃんですが、
もし、自分に名前がなかったら・・・。と考えたら
「あしのしたに  ふかくて  くらいあなが   ぽっかりあいたようなきもち」
になりました。


さっちゃんの名前は「幸」
幸せになれるようにとお父さんがつけてくれた名前。
さっちゃんはのらねこの名前を考えますが、
どうも、のらねこは気に入らない様子。
「そんなにすききらいいうないら、じぶんのすきななまえをつけたら」
と、さっちゃんが投げやりに言うと
「そうはいきません」
とのらねこにきっぱりと言われてしまいます。


名前は誰かにつけてもらうものだから。


さっちゃんはどんな名前をつけるのでしょう?
さっちゃんとのらねこのユーモラスなやりとりに
思わず口元が緩みます。
でも、なんだかじんわり心にしみるお話ですね。


「ねこのなまえ」

いとうひろし/作
徳間書店   1300円

5歳〜



名前がもらえてよかったね。

「名前」がキーワードのお話「はてしない物語
を思い出しました。
そうそう、「千と千尋の神隠し」もそうだ。