おじいちゃんのごくらくごくらく
お風呂好きな私は
湯舟に浸かると、
ホント、ごくらくごくらく。
夫婦共稼ぎの家で、
ぼくの面倒をみてくれるのはいつも、おじいちゃん。
ぼくもおじいちゃんが大好き!
幼稚園のバスの送り迎えも、
お風呂に入るのも、
夜一緒に眠るのも、
み〜んな、おじいちゃんと一緒。
昔大工さんだったおじいちゃんは
ぼくのために、世界でたった一つのおもちゃも作ってくれた。
おじいちゃんはお風呂に入ると必ず
「ごくらくごくらく」
といって、幸せそうな顔をする。
「ごくらくってどういう意味?」
とぼくが聞いたら、おじいちゃんは
「しあわせなきもちになること」
と教えてくれた。
それ以来、
「ごくらくごくらく」
と言うだけで心の中まで暖かくなる。
そんな大好きなおじいちゃんとぼくは、
温泉に行く約束をした。
それなのに、ある日「腰が痛い」と言って病院に運ばれた。
おじいちゃんの病気、治るかなぁ・・・。
「おじいちゃんのごくらくごくらく」
西本鶏介/作
長谷川義史/絵
すずき出版 1100円
小学校〜
ごくらく、ごくらく・・・。
さみしいけれど、あたたかい、ごくらくごくらく。
私のおじいちゃんも、大工さんだったなぁ。
この頃、すっかり涙もろくなった私は
この絵本で、うるうるしちゃいました。