ごきげんなすてご

赤ちゃんが生まれると
み〜んな、赤ちゃんに夢中!


弟が生まれてから、
み〜んな弟に夢中。
あたしなんか、どうせどうでもいいんだ・・・。
と、おねえちゃんのあたしはすてごになって
どこかのお金持ちの人に拾われるんだ。


段ボールの中に入って誰かに拾われるのを待っていると、
色々夢がふくらみます。(妄想)
色々考えるだけで楽しくなってきます。
でも、だれも拾ってくれない。
そんなところに、犬が仲間に加わり
さらに、猫が加わり
仲間が加わりさらに、夢が膨らみますが、
でもね、でもね。
やっぱり、だーれも拾ってくれないの。


そうこうしているうちに、
気が付けば、犬も猫も拾われて
あたしはひとりぼっち。
どうなるのかなぁ・・・。
その時やって来たのは、だれかしら?


おとうとが生まれて、
嬉しくも、ちょっぴり寂しい上の子の気持ちって
きっと、こんな感じなんだね。


「ごきげんなすてご」


いとうひろし/作


徳間書店    1300円
4歳ぐらい〜



子どもの頃、
道端の段ボール箱の子猫を
学校帰りに何度拾ったことか・・・。

その度に叱られて
また、段ボール箱に戻しに行ったっけ。